女性トレーナーによる出張パーソナルトレーニングと食事指導

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産後無理して痛い目にあったトレーナーが語る【産後のトレーニングの始め方】

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女性にとって人生の一大イベントである、出産。およそ10カ月もの間、お腹の中で赤ちゃんを守ってきた母体へのダメージは、よく「全治10カ月の大怪我を負ったようなダメージ」と例えられます。まさに出産は、命がけです。そんな大仕事を経験した産後ママの多くが、産後の体型の変化に頭を抱え、産後ダイエットを始めようと意気込みますが全治10カ月の大怪我を負ったことを忘れてはいけません。全治10カ月でランニングができるはずがありませんし、全治10カ月で激しいトレーニングは体が耐えられません。睡眠不足で体力勝負の日々に、過度な食事制限も無茶ですし、何よりストレスは大敵です。産後ほど、心身ともにデリケートな時期はありませんからより慎重なアプローチが必要となるのです。本記事では、産後ダイエットを考えている産後のママ達に安全に、そして確実にダイエットを成功していただけるよう焦らない産後トレーニングの始め方をご紹介していきます!産後の体の変化についても併せて理解しておきましょう。

産後0カ月(産褥期)

命がけの大仕事を終えた産後直後。体はどのような状態になっているのでしょう。

からだの様子

子宮
・出産直後からの後陣痛
・悪露
骨盤
・最大限に緩み開ききった状態
・靭帯が柔らかく緩んでいるのでグラグラ
筋肉
・お腹周りの筋肉は伸びきって薄くなり
・ほとんど機能しない状態

この時期のアプローチ

日常生活レベル以上の負荷をかけたダイエットのための筋トレや運動は厳禁!また、骨盤が安定していないため、バランスの悪い姿勢を長時間続けるのも良くありません。体の回復を優先し、正しい姿勢の意識や産褥体操と呼ばれるゆったりとした動きの小さい体操から始めましょう。

産後1カ月~3カ月

産後1カ月経つと赤ちゃんと外に出ることもできるようになってきますが、まだまだ無理は禁物です。
子宮
・産後6週間くらいで元の大きさに
・生理が再開する人も
骨盤
・緩んでいた靭帯がゆっくりと元に戻っていく ⇒ 出産回数や負荷によっては戻りが悪い人も
筋肉
・伸びきった筋肉は自然と元には戻らない
・使わなければ機能が低下

この時期のアプローチ

負荷の高い筋トレや激しい運動は厳禁。授乳中や抱っこの際など日々の姿勢に気をつけながら、ストレッチやインナーマッスルを意識した簡単な自重トレーニングを始めていきましょう。ただし、立位でおこなう自重トレーニングでは少し負荷が高いので(全体重が負荷となるため)、仰向けやうつ伏せ、四つん這いなどでおこなえる種目を選びましょう。ヨガや軽めのピラティスがオススメです。

産後4カ月~1年

少しずつ育児にも慣れて体も動かしやすくなってきた頃。無理をしやすい時期でもあります。
子宮
・産後6週間くらいで元の大きさに
・生理が再開する人も
骨盤
・日々の生活(姿勢)によって歪みや開きにかなりの個人差
筋肉
・個人差はあるが、現代の生活だけでは筋力は低下したまま

この時期のアプローチ

今までの過ごし方によって、体の状態にかなりの個人差があります。他の人のトレーニングを真似るのではなく、自分の体に合わせたアプローチが必要です。全力疾走や連続したジャンプ、産前にも経験したことのないような負荷でのトレーニングは避けるべきですがウォーキングやスイミング、軽めのダンスなどの有酸素運動は始めても良いでしょう。ただし運動時間は様子をみながら少しずつ伸ばしていくようにしましょう。また、自重トレーニングの強度も少しずつ上げて良いでしょう。立位でおこなえる種目を選ぶことで、自分の体重がもろに負荷となり強い刺激を与えることができます。

産後約1年〜

あっという間の1年!子供ができると時間の流れを早く感じますよね。
子宮/骨盤/筋肉
・個人差はあるが、体はほぼ妊娠前の状態に
・姿勢が悪かったり筋力回復が遅れていると、骨盤が歪んだままだったり、腰痛や肩こりなどのトラブルが慢性的に残ることも

この時期のアプローチ

個人差はありますが、健康状態に問題がなければ積極的に運動をおこないましょう。段階的なトレーニングを積むことができているのなら、ランニングやジャンプ系の動きも可能です。ただし、このような動きは股関節周辺への負荷が高いため、張り切り過ぎは禁物です。運動量は徐々に増やしていくようにしましょう。また、自重トレーニングに余裕が出てきたらウエイトを用いたトレーニングを始めることもできます。最大出力で瞬間的におこなうウエイトトレーニングはまだまだ危険ですので、ゆっくりと部位ごとに効かせるような方法でおこないましょう。負荷が高いほど、いい加減なフォームは怪我を招きます。フォームには十分な注意が必要です。

産後トレーニングに多いトラブル

このように、自分の体のようすに合わせて段階的なトレーニングを積むことがベストですが筆者のようなTHE体育会系、あるいは自分に合うペースがよくわからない人は、トレーニングによってトラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。はい、私がトラブルに見舞われた張本人です(笑)ただでさえ自分のことに気を回せない子育て時期なのに、体にトラブルがあるのは心身ともにしんどい・・・。ということで、実際にトレーニングをおこなっていく前に特に注意してほしいこと!読んでください。

クランチタイプの腹筋運動は要注意!

「産後に腹筋をしてはいけない」と聞いたことはありませんか?これは腹直筋離開を悪化させる可能性があるからなのです。

腹直筋離開とは、妊娠でお腹が大きくなることによって引き伸ばされた腹直筋の境目が裂け開いてしまうことです。これは決して珍しいことではなく、産後しばらく経ってから気付いたり、気付かずに治っていることもあるそうな。この裂けている部分を短縮させる運動がいわゆるクランチであり、腹直筋に高い負荷を与える種目です。とある海外の研究では、クランチが腹直筋離開の改善に貢献したというような結果も出ているようですが、「産後に積極的に取り入れるべきではない」という見立てをしている人が圧倒的に多いのが現状です。ただでさえ妊娠期に引き伸ばされて弱化している腹筋群ですから、無理は禁物。お腹周りを早くスッキリさせたい!と思うあまりやってしまいがちな腹筋運動ですが、腹部を短縮させるような動きは避けながら段階的にトレーニングを積みましょう!

有酸素運動は回復を待ってから

「ダイエットと言えば有酸素運動!赤ちゃんが寝た隙に30分、家族に子供をみててもらって少しジョギングしてこよう!」そんな安易な考えで産後1か月からジョギングを始めた、トレーナーを志す前の筆者は、その後ひどい恥骨痛に悩まされることに…(泣)

出産前、ホルモンの作用で緩む骨盤の靭帯。この作用があるから出産できるわけなのですが、緩む段階で痛みが生じる人もいれば、圧迫されることで痛みを生じる人もいるそう。産後はこれまたホルモンの作用によって、子宮や骨盤は少しずつ元の状態に戻るのですが、戻る前に大きな衝撃が加わったり骨盤が歪んだ状態で定着してしまうと恥骨痛が復活あるいは悪化してしまうことがあります。

骨盤についてはこちらの記事で詳しく書いてます ⇒ 姿勢改善や尻トレ効果アップも!骨盤を整える方法①~骨盤を知る~

筆者の場合、恥骨痛は妊娠中期頃から始まりました。体重が増えてきた中、かなり一生懸命ウォーキングしていたのが良くなかったのでしょう。痛いなぁと思いつつも、体重の急増に怯えてウォーキングを継続していました。妊娠後期には何故か少し痛みが和らぎ、産後の1カ月間も完全に恥骨痛のことは忘れるくらい。ジョギングを始めた2、3日も特に問題はなかったのですが、4日目くらいから激痛が。私のお股、どうにかなっちゃったのかしら!と思うほどでした。そのあとも、様子をみながら休んだりちょっと走ってみたりを繰り返しながら、ダラダラと恥骨痛と付き合う羽目に…。長時間断続しておこなう有酸素運動は、筋トレよりも下半身の関節運動が多く、相対的にみて関節周辺への負荷は高くなります。特に股関節は、骨盤に直接関係のある関節ですから注意が必要です。股関節を酷使する運動は、骨盤が安定し、骨盤周辺や股関節周辺の筋力が回復してからおこなうようしましょう!

まとめ

産後の体はとにかくデリケート。何をするにも無理は禁物です。自分は大丈夫!そんな過信がとんでもない後悔を生みます。筆者の恥骨痛は、5年以上経った今も時々出現します。ジョギングを連続しておこなうと必ず痛みます。生理1日目は必ず痛みます。あの時無理をしなければ…。と、飽きるほど後悔してきました。ですから産後のクライアントには超が付くほど慎重です。同じ思いをしてほしくないですからね。ということで、皆さんも産後のトレーニングは慎重に、段階的に取り組んでいただければと思います。心配な人は、産後の体に詳しいトレーナーに相談してみるのもオススメですよぉ!

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