トレーナーという職業柄、子供の栄養補助食品について質問されることが時々あります。「子供の好き嫌いが多いので、サプリメントとか飲ませた方がいいんですか?」「クラブのコーチにプロテインを飲むように言われてるんですが、何を飲んだらいいのかわかりません」など。成長期である子供の栄養、心配ですよね。私自身も二児の母として、毎日子供たちの食事に四苦八苦しています。トレーナーだからと言って、超栄養満点の食事を子供たちに食べさせているかと言うと、そうでもありません。息子達はチキンラーメンが大好きです(笑)自分自身の食事はコントロールできます。我が子と言えども、相手は別の人間。特に長男は、こだわりの強い知的障害児です。そう簡単にはコントロールさせてくれるはずもありません。そんな子育ての苦労を知っている私だからこそ伝えられることがあるかもしれない。この記事を読んで、お母さんたちの不安が少しでも解消できればいいなと思います。
サプリメントやプロテインの役割
まず、これは正しく理解しておくべきです。サプリメントやプロテインは、補助食品。食事で摂り切れない栄養素を補うものです。栄養補給のメインとして考えることはやめましょう。なぜなら、「食事」というのは栄養を補給するだけではなくあらゆる面で子供たちの成長を促す非常に重要な【発育・発達の場】なのです。これを差し置いて栄養補助食品に頼るのは、子供の成長を阻害しているのと一緒です。あくまでも、食事を第一と考えた上での補助食。完璧じゃなくても、毎日三食食べて元気に過ごせているなら、無理して調達する必要もないし食事を第一にしても健康面や発育・発達面で心配なことがあるなら、試してみる価値はある。そんな位置づけで捉えておくのが、上手に付き合っていくコツとなります。
サプリメントやプロテイン>お菓子やジュース
お菓子やジュースは糖質や添加物を多く含むので、食べすぎ飲み過ぎは子供の成長や健康を阻害する恐れがあります。食事を差し置いて摂る必要はありませんが、お菓子やジュースを与えるくらいならサプリメントやプロテインを与える方が、ずっと良いです。今はラムネのような子供用のサプリメントがあったり、チョコレート味やフルーティーなプロテインがあったり、子供でも美味しいと感じるものがたくさんあります。お菓子やジュースの感覚で続けられるように、楽しく美味しく飲めるものがあれば、試してみるといいですね。
栄養の吸収にもキャパがある
意外にも勘違いをしている人は多いのですが色んな栄養をたくさん摂れば摂るほど良い、というわけでもないのです。三大栄養素と言われる、炭水化物・たんぱく質・脂質などは体のエネルギー源。活動するためには必要不可欠ですがエネルギーとして使い切れずに余った場合は、中性脂肪として体に蓄積されてしまいます。ビタミンやミネラルなどは、体の回復や調整を担っていますが使い切れなかった分は尿と一緒に排出。あるいは過剰症として、体の不調を引き起こすこともあります。キャパ以上の栄養素を摂ったところで、それ以上プラスになることはないのです。要するに、キャパを超えてまで栄養を補充するサプリメントやプロテインはただのお金の無駄。本当に足りていないのか?よく考えることです。
基本は全体のバランス
それぞれの栄養素は、色んな関係を持っています。たんぱく質の代謝にはビタミンB6が欠かせなかったりカルシウムを摂りすぎるとマグネシウムが不足してしまったり摂取する栄養素を効率よく体に取り込むためには、また別の栄養素の助けが必要でありそのバランスによって効果も変化します。特定の栄養素だけを頑張って摂っても頑張った分だけ効果が得られるとは限らないのです。コーチにプロテインを飲むように言われ、痛い出費を我慢してまでプロテインばかり飲んでいても普段の栄養状態が悪ければ、効果は薄れてしまうのです。
継続できなければ意味なし
体作りは一日にしてならず。一日死ぬほどプロテインを飲んだからってマッチョにはなれません。全ては積み重ねです。とは言え、自ら進んで努力できる子供なんて滅多にいません。病気を治すための薬でもない、ましてや、はっきりとした効果も感じにくいサプリメントやプロテインを毎日無理やり飲ませるのもどうなのか。だからやっぱり、味が大事です。毎日飲んでもいい、美味しいもの。大人だって、美味しくないものを毎日飲み続けるのは苦痛です。継続できて、初めて効果が得られるのですから継続できる味でなくてはなりませんよね。子供の場合は、なおさらね。
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