こんにちは!
Rient髙田です。
私には二人の男の子供がいます。そして4歳の長男は、知的障害の疑いありの自閉症スペクトラムです。

そんな長男がいるお陰で、私は色々な知識を得る機会をいただき、日々たくさんのことを学ばせてもらっています。特に「発達」という分野は、私の仕事にも役立つ情報ばかりで、本当にありがたい限りです。
先日、長男がお世話になっている発達支援事業所の保護者会があり、そこでまたたくさんのことを学ばせていただきました。その中でよく出てきたワードが「体幹」。そう、実は体幹は、発達の分野で最近とても重要視されているのです。
どのように重要視されているかを私なりにまとめると(これより先は発達の専門家から学んだ話を私なりの解説でお送りします)
①発達障害を持つ子供は体幹が弱い傾向にある
②発達が遅くてスムーズにできない行動は、体幹が弱いことが原因で起こる可能性が高い
③体幹を鍛えることで、できなかったことができるようになる可能性がある
ということが挙げられます。
①発達障害を持つ子供は体幹が弱い傾向にある
まず発達の法則として
・発達には順序がある
・発達は一定方向にすすむ
ということが挙げられますが
発達障害児の産まれてからの発達を振り返ると、この法則に沿わない、例えば「寝返りをしないうちにお座りができるようになった」や「つかまり立ちができるようになってからはいはいができるようになった」のような発達の仕方を経験した子が多いそうなのです。
このように発達の法則に沿えないと、その時期に成熟させるべき運動神経や運動機能が十分に成熟しないまま成長してしまいます。よって体をコントロールする基礎となる体幹部分が弱く、上手く機能しない子が多いのです。
②発達が遅くてスムーズにできない行動は、体幹が弱いことが原因で起こる可能性が高い
発達障害はかなり広い枠で捉えた名称であり、タイプは様々ですが、基本的に障害を持たない子よりも発達が遅く、同じ年齢月齢でもできないことが多くあります。椅子に座って待つことや、自分の立ち位置で少しの間立っていること、洋服を着る、ズボンを履く、靴下を履くなど様々な苦手な行動。
これらの行動が苦手なのは、ただ頭で理解できないから、集中力がないから、手先が不器用だからという理由だけではないのです。
今回の保護者会で臨床心理士さんが例に挙げていたのは「靴下を履く」という行動。発達障害児が上手く靴下を履けないのは、体幹が弱いからなんだそうです。
座って靴下を履く時、効率よく履くためには、履きたい方の膝を曲げて足を体に引き寄せて、手が足に届くところで靴下を履きます。
しかし体幹の弱い子は無意識に、体を支えるために床に着く面積を広くとります。足を伸ばしたり、膝を開いてあぐらをかいたり。その状態で靴下を履くのは、大人でも難しいです。しかし体幹が弱いので、膝を立てて座っていられないのです。体を支える面積が狭いと、不安定になるのです。
発達障害児がゴロゴロするのが好きだったり、座っていられなかったり、体育座りができないのはそのためなのです。
そういえばうちの子も、家の中にいる時は半分くらいゴロゴロしてるなぁ~。
体をコントロールする基礎である体幹が弱いと、手足を動かすことも安定しませんので、ハサミを使ったり、お箸を使ったり、ボールを蹴ったりダンスをしたり、苦手な行動が増える一方ですよね。
ということから
③体幹を鍛えることで、できなかったことができるようになる可能性がある
ということで、体幹を鍛える様々な活動や運動遊びが、発達障害支援の中で推奨されているのです。
こんな風に発達障害支援の中では重要視されている体幹ですが
発達障害支援の中だけではなく、教育現場全般で、もっとスタンダードに強化対象として取り入れられていくべきだと思います。
だって、小学校の支援学級で座れない子は「体幹が弱いからだ」と体幹を鍛える活動を増やしてもらえるかもしれないのに、通常学級で座れないと「集中力がない!」「態度が悪い!」と怒られて終わるのはおかしいですよね。
そもそも「発達」とは
身長や体重がアップする「成長」とう意味と
生理的機能や運動機能、知的、言語、情緒、社会性などがアップする「成熟」という意味
二つ合わせて「発達」なのだから
勉強ができて、会話ができて、身の回りのこともできるけど
体幹が弱くて座っていられないのも
もしかしたら、発達障害児と同じようにアプローチする必要のある
重要な困りごとなのかもしれない。
世の中のバリアフリー化が進んで、障害の理解が進んで、発達障害児が増えて支援が活発になっているけども
障害を持たない、発達障害児とみなされない子達への支援はどうなのだろう。
本当は集中力がないわけじゃないし、態度を悪くするつもりもないけれどできない。そして怒られて終わる。
そんな子が、きっといるんだろうなぁと
保護者会でのありがたいお話を聞きながら思っていました。
そんな可哀そうなことが起こらないように
発達障害支援だけじゃなく、フィットネスだけじゃなく、スポーツだけじゃなく
教育としての体幹トレーニングがスタンダードになればいいなぁ!!!!と思いましたとさ。